vol. 288

2017.04.21

ネガティブ思考は「脳の老化」を早める! 人生100年時代に女性たちが意識すべき“脳ケア”とは/医師・米山公啓さん

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各分野の専門家たちに聞きました!
「女の人生100年時代」未来を豊かに生きるためには?

2050年には先進国に生きる人の半数以上が90歳以上まで生きると予測されている。また、平均寿命が「110-120歳まで上昇する」という見方まであるらしい――。定年をむかえても、余生は30年以上。これまでの生き方の「常識」が劇的に変わる中、女性たちが豊かな人生を送るために必要なこととは――? お金、結婚、キャリア、健康……各界の識者に問いをぶつけてみた!

本特集第4弾にご登場いただいたのは、脳科学者・医師の米山公啓さん。女性たちが人生100年時代を豊かに生き抜くためには「健康でいることが大前提」だと語る。

 米山公啓

医学博士・作家
米山公啓さん

聖マリアンナ大学医学部卒業。1998年2月に同大学第2内科助教授を退職し、著作活動を開始。東京都あきる野市にある米山医院で診察を続ける一方、これまでに280冊以上を上梓。講演会、テレビ・ラジオ出演、テレビ番組企画・監修も行う。NPO日本サプリメント評議会代表理事、NPO日本プレインヘルス協会理事

そこで今回は、長寿化が人間の脳に与える影響や、健康な心と体を保ち続けるために働く女性たちが意識すべき“脳ケア”について教えてもらった。

長寿化時代、若いうちから脳のアンチエイジングをしよう

脳科学

「人生100年時代」という言葉をよく聞くようになったが、そもそも、なぜヒトの長寿化は進んでいるのだろうか? 

「実は、その理由ははっきりしていません。考えられるのは、衛生環境が整って感染症が減ったり、医療の進歩によって脳卒中などの治療ができるようになったり、ざっくり言えば“死に至る要因が減ってきている”ということ。ヒトの進化は50年や100年くらいの短いスパンでは変わりません。ですから、脳や遺伝子そのものが進化したというわけではありません」

一方で、長寿化が進むことによって認知症や脳卒中になる人の割合が増えているという。

「脳の神経細胞は年齢を重ねるごとに減っていくので、長寿化が進めば認知症や脳卒中になる人が増えることは間違いありません。男性に比べて女性は特に長生きする傾向がありますから、若いうちから“脳のアンチエイジング”を意識しておくことをオススメします」

「いかに働き続け、いかに遊び続けるか」が大切!
脳ケアをする上で意識したいこと

では、脳の老化を防ぐために今からできることはあるのだろうか。米山さんによれば、「1つだけ、意識的に増やせる脳細胞がある」という。

「最近の研究で、“海馬”という脳細胞は、年齢を重ねても増えることが分かっています。記憶を司る海馬を減らさないためには、ウォーキングなどの有酸素運動を定期的に行うことが有効だと証明されました」

有酸素運動は、ダイエット効果だけでなく、脳にも好影響を及ぼす。動脈硬化の予防や脳梗塞のリスクも低減でき、一石三鳥以上!

また、「大脳皮質の神経細胞のつながりを増やすことも重要」と米山さん。要はどういうことだろうか?

脳科学

「具体的には、何か新しいことを学んだり、覚えたり、体験することで、脳に刺激を与えること。人とコミュニケーションを取ったり、本やネットで情報を得て自分なりの意見を考えてみることなども、脳細胞にいい刺激となって神経細胞どうしのつながりが増えていきます」

さらに、米山さんは「これらのことが手っ取り早くできるのは、仕事です」と断言する。

「将来70~80歳まで働き続けなければいけないという事実を悲観的にとらえる人もいますが、定年を早々迎えて淡々と同じような毎日を過ごすことこそ健康に悪い。年齢なんか気にせずに働き続けて、存分に遊び続けて、自分の脳に刺激を与えてあげることが重要です」

適度な運動に加え、社会とつながり続けることが最大の脳の老化防止、健康ケアにつながるという。

他人への悪口、実は自分の脳を傷付けている!?
ネガティブ思考は万病の元

一方で、働く女性たちがやりがちな「脳の老化を早めるNG習慣がある」と米山先生。それは、物事を否定的に捉えたり、ネガティブな考え方をすること。こういった思考は、脳細胞にダメージを与えるというのだ。

「ネガティブ思考を重ねて脳にストレスを与えることは、海馬の神経細胞を壊すことにつながります。つまり、ネガティブ思考の人は、自ら脳を破壊しているということ。他人に対する悪口も、言えば言うほど自分の脳には悪影響を与えます。逆に、人を褒めたり、ポジティブな思考をともなう行動を取ることは、脳にとってもプラスです。ずっと健康でい続けたいなら、前向きな性格でいることが圧倒的に有利だと言えます」

脳科学
思考と健康は密接に関わっている。だが、「ネガティブ思考」が習慣になってしまっている場合、そう簡単に考え方を変えることはできないのではないだろうか。そういう場合は、「褒め日記がオススメです」と米山さん。

「毎日寝る前に、どんなことでもいいから自分が良くできたことや、思い通りに実現できたことなどを振り返り、5つくらい箇条書きにして、自分を褒めてあげてください。『時間通りに起きて遅刻せずに会社にいけた』とか『●●さんに予定通りメールをしてアポが取れた』とか、そんなことでもいいです。普段悪いことばかりに目がいきがちな人も、意識的にいいことに目を向けるようにすることで、脳を喜ばせることができます」

自分なりの工夫を加えて仕事をしていると脳や体まで元気になる

健康ケアというと、食生活や運動面にばかりフォーカスがあたりがちだが、年齢を重ねても若々しい健康な脳を維持するためには、いい“刺激”を与え続けることだ。

「改めて申し上げますが、手っ取り早いのは生涯仕事を続けること。よほどの芸術家体質か研究者気質か、お金がありあまってずっと旅行をしていられるような人でなければ、自ら新しい経験を生活の中に仕掛け続けるのは難しいものです」

では、どうやって生涯仕事を続けていくか。会社にいなくてはできないような事務系の仕事しかできないようでは厳しいだろう。

「趣味や特技などを生かし、自営業・フリーランスでも収入を得られるスキルを今から磨いていくことを今から意識してみてはいかがでしょうか。ちなみに、医者には定年がないので私の周りにもかなりの高齢で働いている人がいますが、『自分の健康のために続けている』と言う人が多いですよ(笑)」

脳科学

また、米山さんは「日々の仕事への取り組み方1つとっても、脳ケアにつながる」と語る。

「どんな仕事であれ、それを楽しめるように自分で工夫できれば脳にはプラスに働きます。ただ言われたことを機械のようにこなすだけでなく、『自分はどうしたいか』、『もっと面白くするにはどうしたらいいか』一歩踏み込んで思考し、仕事に落とし込める人は健康も維持できるし、新しい世界も広げていくことができます」

受身にならず、自分なりの物差しで働き方、生き方を取捨選択していくこと。人とのつながりや、知的好奇心を大事にすること。一見すると健康とは無関係のようだが、若いうちから養われるこうしたマインドや、習慣の一つ一つが、将来の自分を支えてくれる。

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・ネガティブ思考は「脳の老化」を早める! 人生100年時代に女性たちが意識すべき“脳ケア”とは

取材・文/上野真理子 

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