vol. 232

2017.01.25

フリーランス女子のお財布事情って?――「いつ仕事が無くなるか分からない」人が知っておくべき貯蓄術&節税対策

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高山一恵さん
職種別にチェック!
隣のアノ子のお財布事情

どんなに仲の良い友達でも、「年収どのくらいあるの?」「貯金いくら持ってるの?」なんて、聞きにくいもの。周囲の人のお財布事情が分からないだけに、今の自分のお金のやりくりが正しいのかどうか、判断できないものですよね。そこでこの連載では、ファイナンシャルプランナー高山一恵さんに、これまでにあった相談事例を元に、働く女性たちのお財布事情を職種別に解説してもらいます。

ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者・1級FP技能士)
マネーマネジメントコーチ、DCプランナー
高山 一恵(たかやま・かずえ)
1974年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画し、10年間取締役を務め、退任。その後、2015年に株式会社Money&Youの取締役へ就任。女性FPと女性をつなぐマッチングサイト「FP Cafe」の事業に注力。また、全国で講演活動・執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく、親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。著書に『35歳までにはぜったい知っておきたい お金のきほん』(アスペクト)など多数

~File.13~
フリーライター女子のお財布事情

最近、マネー相談にやってきたAさん(29歳)。Aさんは、女性誌を中心に執筆活動をしているフリーライター。現在の年収は650万円ほどで、同世代の女性の中でも比較的高収入です。

フリーライター

稼いだお金のほとんどが洋服代と外食費に消える

かつて新卒で大手の出版社に入社し、女性誌編集部に配属されたAさん。ファッションやメイクが大好きで、学生時代にはバイト代を全て洋服につぎ込んでいたそう。

夢だった出版社での編集業務は充実していたものの、入社4年目にして過労で体調を崩して休職することに。それをきっかけに、働く時間や場所を自分で自由に選びたいと思い、3年前にフリーライターとして独立しました。

退職後も、前職の同僚との関係は良く人脈も豊富なAさん。独立後も順調に仕事を受注し、収入も安定しています。

そんなAさんのお悩みは、「貯金が全然できない」ということ。650万円の年収があるにも関わらず、貯蓄は100万円程度しかないそう。よく話を聞いてみると、正社員で働いていた時の習慣が抜けず、収入のほとんどを洋服や外食で使ってしまっているとのことでした。

最近では、出版不況の中で廃刊する雑誌も増えています。Aさんの知人のフリーライターも、主要な受注先だった週刊誌が廃刊し、仕事も収入も半減してしまったとか。Aさん自身もいつ仕事が無くなるか分からないので、貯蓄の重要性を痛感したそうです。また、支払っている税金が高く、フリーランスでもできる「節税」方法がないかという悩みも抱えているとのことでした。

いつ収入がゼロになるか分からない!? フリーランスこそ、万が一に備える貯蓄を

時間や場所にとらわれず、自分の裁量で働くことができるフリーランス。会社員として働いている女性たちの中にも、「いつかはフリーランスになって働きたい」と考えている人も多いかもしれませんね。でも、会社員と比べて、社会保障制度や福利厚生が充実していないフリーランスは、収入が安定しないリスクも付き物です。

例えば会社員の人が病気になっても有給休暇を使えばお給料は出ますが、フリーランスは仕事が受けられなければそれまで。収入は減る一方です。仕事を代わってくれる同僚もいませんから、自分でどうにかしなければいけませんね。

また、「健康保険」に加入している会社員であれば、出産した場合でも、出産予定日の42日前から出産後56日までの合計98日間は給料の3分の2が「出産手当金」として支給されます。一方、フリーランスが加入する「国民健康保険」には、「傷病手当金」も「出産手当金」もありません。ですから、病気になってしまった場合や、結婚・出産などのライフステージが変化した場合を見越して、自ら資金を備えておく必要があるのです。

さらに、会社員であれば仕事がなくなっても「雇用保険」に加入しているので「失業手当」が付きますが、それもフリーランスにはナシ。会社員にとっても貯蓄は重要なのですが、フリーランスの人こそ、万が一のケースに備えて貯蓄を計画的に行っていくことが不可欠です。

貯蓄を増やすコツは2つ!「先取り貯蓄」と「支出ペースを乱さない」こと

フリーライター

独立してから3年が経つAさんですが、私のところに相談に来るまで、会社員とフリーランスの社会保障制度の違いすら知らなかったとのこと。

貯蓄を増やすにあたって、Aさんのようにお金を使うことが好きなタイプは必ず「先取り貯蓄」をすることが大切。手始めに、収入が振り込まれる銀行口座で「自動積立定期預金」をスタートすることをオススメしました。

とはいえ、フリーランスの場合、複数社と仕事をしていて入金日もまちまちなケースが多いもの。毎月の収入額にも変動があると思います。そういう場合は、年間の収入を12で割って、1カ月あたりの平均収入金額を算出し、月々の貯蓄額を決めると良いでしょう。理想の貯蓄額は、手取り金額の2割程度です。

まとまったお金が入った時はぱあっと使いたくなるものですが、貯蓄を確実に増やすためには、毎月のお金を使うペースを乱さないことも大切です。会社員にとってのボーナス月など、いつもよりも収入が多かった月は、別口座に余裕分として貯蓄するとお金が貯まりやすくなります。

「小規模企業共済」を活用して節税! 万が一のケースに備えておくと安心

貯蓄の習慣がついてきたら、次に考えたいのが貯蓄先。仕事がいつ無くなるか分からないフリーランスのような人であれば、「小規模企業共済」を活用するのがオススメです。

小規模企業共済は、小規模企業(法人や個人事業)の経営者の退職金代わりに設けられている共済制度。毎月一定の金額を積み立てておくと、廃業したときや会社の役員を退職したときなどに、通常の預貯金の利息よりも有利な利率で受け取ることができます。つまり、生活資金等を予め積み立てておく制度です。ちなみに、廃業せずに途中で解約することもできますが、給付金額は少なくなります。掛け金は月々1000円から7万円までの範囲で自由に選択できます。

例えば、Aさんが毎月3万円を小規模企業共済に掛け金を拠出して、10年間積み立てて廃業したとします。受け取り方にもよりますが、10年間の積立総額約360万円に対し、事業をやめるときには約390万円受け取ることができます。

また、小規模企業共済の掛け金は「所得控除」になるので、節税効果も得られます。Aさんの所得税の税率は20%。ここでは詳細の計算は割愛しますが、Aさんの場合、毎月3万円(年間36万円)の掛け金を拠出することによって、その年の所得税から7万2000円還付され、翌年の住民税は3万6000円安くなります。所得税と住民税を合計すると、年間で10万8000円も節税できることになりますね!

各種保障が少ないフリーランスこそ、自己防衛が大切。他にも「国民年金基金」など、フリーランスや個人事業主しか入れないお得な制度が存在します。

会社員も、フリーランスも、お金の知識を身に付けることで、節約できるお金が見えてくるものです。こうしたお得な制度をうまく活用して、賢く貯蓄を増やしましょう!

フリーライター

次回は<飲食業>女子のお財布事情です。
お楽しみに!

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連載『隣のあの子のお財布事情』の過去記事一覧はこちら

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